犬のてんかんは、脳の異常な電気活動によってけいれんや意識障害を引き起こす病気です。犬の神経疾患の中では比較的多く見られますが、症状や対処法についてはあまり知られていないのが現状です。
私の愛犬も14歳までてんかんを発症したことがなかったので、初めて発作が起きたときはとても驚きました。いざというときに慌てないためにも、てんかんの初期症状や前兆、正しい対処法を知っておくことが大切です。
てんかんとは?2つのタイプ
てんかんは脳の疾患で、中枢神経の機能に何らかの異常が生じることで発作が起こります。24時間以上の間隔をあけて2回以上繰り返し発作が起きた場合にてんかんと診断されます(1回だけの発作ではてんかんとは診断されません)。
てんかんには主に2つのタイプがあります。
- 特発性てんかん:検査をしても脳に明らかな異常が認められないタイプ。遺伝的要因が関係すると考えられている
- 構造的(症候性)てんかん:脳腫瘍、脳炎、水頭症など、脳に異常が確認できるタイプ
特発性てんかんは1〜5歳の若い犬で発症しやすいとされていますが、高齢犬でも発症することがあります。
てんかんの診断方法
てんかんが疑われる場合、獣医師はまず発作の原因が脳以外にないかを調べます。
- 血液検査:肝臓・腎臓の異常、低血糖、電解質異常など内臓疾患の確認
- レントゲン・超音波検査:内臓の構造的な問題がないかチェック
- アンモニア値の測定:肝性脳症(門脈シャントなど)の除外
- MRI検査:他に原因が見つからない場合、脳の構造的異常を確認
てんかんの前兆・初期症状11のサイン
てんかんは突然起こると思われがちですが、実は発作の前に「前兆」が見られることがあります。以下のサインに気づいたら注意が必要です。
- よだれが大量に出る
- 落ち着きがなくなり、興奮して歩き回る
- 目がキョロキョロと動き、いつもと違う行動をとる
- 体の一部がピクピクと動く
- 口をくちゃくちゃ動かす(チューインガム発作)
- ふらつきやバランスを崩す
- 手足や顔がけいれん・突っ張る
- 全身がけいれんする
- 意識を失う
- 手足をバタバタさせる(遊泳運動)
- しっぽを追いかけてぐるぐる回る(テイルチェイシング)
①〜③のような軽い変化が前兆として現れ、その後④以降の明確な発作に進行するパターンが多いです。前兆に気づくためには、日頃から愛犬の行動パターンをよく観察しておくことが大切です。
発作が起きたときの対処法
愛犬がてんかん発作を起こしたとき、飼い主はパニックになりがちですが、落ち着いて以下の対応をしましょう。
- 触らず見守る:発作中に口に手を入れたり、抱き上げたりしない(噛まれる危険がある)
- 周囲の安全を確保:テーブルや家具など、ぶつかりそうなものを遠ざける
- 発作の様子を記録する:スマホで動画を撮影しておくと、獣医師への説明に非常に役立つ
- 発作の持続時間を計る:5分以上続く場合は重積発作の可能性があり、緊急で動物病院を受診
- 発作後はそっと見守る:発作後はぼんやりしたり、一時的に目が見えなくなることがある(通常は数分〜数十分で回復)
てんかんの治療
てんかんの治療は主に抗てんかん薬(抗けいれん薬)の投与で行います。代表的な薬はフェノバルビタールやゾニサミドなどです。
抗てんかん薬は発作を完全になくすことが目標ではなく、発作の頻度と重症度をコントロールすることが目的です。多くの場合、生涯にわたって投薬が必要になります。自己判断で薬を中断すると発作が悪化するため、必ず獣医師の指示に従いましょう。
まとめ
てんかんは24時間以上の間隔で2回以上発作が繰り返される脳の疾患です。前兆として、よだれ・落ち着きのなさ・体のピクつきなどが見られることがあります。発作が起きたときは触らず見守り、5分以上続く場合はすぐに動物病院を受診してください。
日頃から愛犬の様子を観察し、異変があれば早めに獣医師に相談できるようにしておきましょう。
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