ドッグランで思い切り遊ばせていたら、いつの間にか枝や草を噛んでいる——そんな光景に「どうして?」と思ったことはありませんか。
この記事では、わんちゃんがドッグランで木や草を噛む理由を、気持ちや本能の面からやさしく解説します。やめさせるべきか迷っている飼い主さんも、読み終わるころには少し肩の力が抜けるはずです。
なぜドッグランで木や草を噛むの?よくある疑問
せっかく遊ばせに来たのに、気づけば地面の枝や草をモグモグ……。「運動しに来たんじゃないの?」と、ちょっと拍子抜けしてしまう飼い主さんは多いと思います。
なかには「これってやめさせたほうがいいの?」「お腹が空いているのかな?」と心配になる方もいるでしょう。
結論からお伝えすると、多くの場合は心配しすぎなくて大丈夫です。枝や草を噛むのには、わんちゃんなりのちゃんとした理由があります。まずはその気持ちを知ることから始めてみましょう。
実はこれ、本能的なクールダウン行動かもしれない
激しく走り回ったあとに枝や草を噛むのは、高ぶった気持ちを自分で落ち着かせる「セルフレギュレーション(自己調整)」の一種だと考えられています。
人が緊張したときに飲み物を飲んだり、ガムを噛んだりして気持ちを整えるのと少し似ています。わんちゃんにとって「噛む」という行為には、興奮や緊張をやわらげる働きがあるのです。
実際、噛む行動にはストレスホルモンであるコルチゾールを下げる効果があるといわれています。だから、ひとしきり遊んだあとに何かを噛むのは、わんちゃんが自分で「ちょっと休憩しよう」と気持ちを切り替えているサインとも受け取れます。
うちのシェルティ兄妹も、ドッグランで全力で遊んだあと、「遊んで休憩中」といった様子で枝を噛んでいることがあります。最初は「なんで枝?」と思っていましたが、興奮した気持ちをクールダウンしているんだなと分かってからは、危なくない範囲で見守るようにしています。
噛むことの鎮静・安心効果については、噛むおやつを与えるベストなタイミングとは?|ドッグラン後・寝る前の鎮静・安心効果でもくわしく紹介しています。
考えられる理由は一つではない
枝や草を噛む理由は、いつも同じとは限りません。その日の体調や気分によって、いくつかの理由が考えられます。
興奮やストレスの発散(クールダウン)はその代表ですが、それ以外にも、本能的な採食行動・探索行動として「これは何だろう?」と口で確かめていることもあります。わんちゃんは鼻と口で世界を知る生き物なので、気になるものをくわえるのはごく自然なことです。
また、口寂しさや退屈から噛んでいるケースもあります。とくに草を食べる場合は、胃の不快感を解消しようとしている可能性も指摘されています。あまりに頻繁だったり、吐くことが続いたりするときは、念のため体調にも目を向けてあげると安心です。
噛んでもいいものと、気をつけたいもの
「噛むこと自体は自然」とはいえ、何でも噛んで大丈夫というわけではありません。安全のために、いくつか気をつけたいポイントがあります。
枝・木は、噛んでいるうちに細かい破片が割れて、口の中を傷つけたり誤飲につながったりすることがあります。大きな枝を夢中で噛んでいるときは、さりげなく様子を見てあげましょう。
草の場合は、農薬や除草剤がかかっている可能性に注意が必要です。とくに公園や道端の草は、どんな薬剤が使われているか分かりません。さらに、わんちゃんにとって毒性のある植物も存在します。
神経質になりすぎる必要はありませんが、ドッグランや公園に着いたら「どんな環境かな」とさりげなく確認する習慣をつけておくと、より安心して遊ばせてあげられます。
無理にやめさせるより「切り替え」がうまくいく
枝や草を噛むのをやめさせたいとき、頭ごなしに「ダメ!」と完全に禁止しようとすると、かえって執着してしまうことがあります。取り上げられそうになると、急いで噛もうとする子もいるほどです。
そこでおすすめなのが、「禁止」ではなく「切り替え」です。お気に入りのおもちゃを見せたり、新鮮なお水に誘導したりして、自然と意識をそらしてあげましょう。噛みたい気持ちそのものを否定しないのがポイントです。
噛みたい・探したいという欲求は、ノーズワークでも満たすことができます。おやつを隠して鼻で探させる遊びは、「鼻を使う+口を動かす」という欲求を同時に満たせるため、枝や草への執着がやわらぐこともあります。室内でもできるので、雨の日の発散にもぴったりです。
おもちゃや噛むおやつへの上手な誘導は、噛む行動の安心効果を活かすうえでも役立ちます。
愛犬のちょっとした仕草から気持ちを読み取るのは、噛む行動に限りません。たとえば遊びに誘う「プレイバウ」と、体調不良のサインである「祈りのポーズ」はよく似た姿勢ですが、意味はまったく異なります。犬の祈りのポーズは腹痛のサイン?プレイバウとの見分け方と対処法で見分け方を詳しく解説しています。
まとめ
ドッグランで木や草を噛むのは、多くの場合「問題行動」ではなく、わんちゃんなりの感情コントロールです。激しく遊んだあとのクールダウンや、探索したい気持ちのあらわれであることがほとんどです。
大切なのは、噛むこと自体を無理に止めるのではなく、安全だけはしっかり確認してあげること。危険なものでなければ、大らかな気持ちで見守ってあげましょう。
休憩がてら枝をかじる姿も、よく見るとどこか満ち足りた表情をしているかもしれません。
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