以前から、犬たちと自然の中で過ごせる場所があったらいいなと思っていました。
そこで気になったのが、数百万円程度から購入できる「シェア別荘」です。一般的な別荘を一棟購入するよりもハードルが低く、管理の手間も少ない。複数の拠点を利用できるタイプなら、いろいろな場所に行ける。
これはかなり良さそう。
そう思って、実際に説明を聞き、購入を具体的に検討してみました。
ところが、最終的に私は購入を見送ることにしました。
この記事では、実際に検討してみて感じたメリット・デメリットと、なぜ購入しないという結論になったのかを、犬連れ旅行者の視点から紹介します。
そもそもシェア別荘とは?
「シェア別荘」とは、一棟の別荘を一人(一世帯)で所有するのではなく、複数の人で所有・利用する仕組みの別荘のことです。
サービスによって仕組みはさまざまで、実際に不動産としての「所有権」を持つタイプもあれば、一定期間利用できる「利用権」を購入するタイプもあります。ここは契約内容がサービスごとに大きく異なる部分なので、検討する際は必ず個別に確認が必要です。
一般的に言われている特徴としては、次のようなものがあります。
- 一棟の別荘を一人で所有するのではなく、複数人で所有・利用する
- サービスによって「所有権型」「利用権型」など仕組みが異なる
- 数百万円程度から購入できるものもある
- 年間の利用可能泊数があらかじめ設定されている場合がある
- 購入費用とは別に、年間の維持費などが発生する場合がある
- 一つの拠点だけでなく、複数の拠点を利用できるタイプもある
制度や税務、契約内容については本当にサービスごとの差が大きいので、この記事では一般的な仕組みの説明にとどめ、特定のサービス名は出さずに、あくまで私が検討した中で感じたことをお伝えします。
私がシェア別荘を検討した理由
私は犬たちと旅行するのが好きで、自然のある場所に一緒に出かけることが多いです。熱海、箱根、伊豆高原、蓼科、軽井沢や北軽井沢あたりは、季節を問わずよく訪れています。
特に夏は暑さが厳しいので、涼しい避暑地に行きたいという気持ちが強くなります。そんな中で、「別荘があったらいいな」と思うようになりました。とはいえ、一棟の別荘を購入して、掃除や修繕、庭の手入れまで自分で管理するのは正直ハードルが高い。ホテルだけではなく、「自分の場所」と呼べるような拠点があったら素敵だな、という気持ちがありました。
そこで候補に挙がったのが、シェア別荘です。
私の場合、条件として外せなかったのが「犬連れで利用できること」でした。正確には、「別荘が欲しい」というより「犬たちと自然の中で過ごせる拠点が欲しい」という気持ちのほうが強かったと思います。この視点は、後々の検討でとても重要になってきます。
実際に説明を聞いて「いいな」と思ったところ
結論からお伝えすると、私は今回購入を見送りました。ただ、それはシェア別荘という仕組みそのものに魅力がなかったからではありません。むしろ、話を聞けば聞くほど「これは良い仕組みだな」と感じる部分がたくさんありました。
別荘を一棟購入するよりハードルが低い
一般的な別荘を一棟購入しようとすると、立地や広さにもよりますが、まとまった資金が必要になります。それに比べると、数百万円程度から検討できるシェア別荘は、購入のハードルがぐっと下がります。
管理の手間が少ない
別荘を一棟所有すると、掃除、修繕、庭の手入れなど、維持のための手間がかなりかかります。シェア別荘であれば、そうした管理を自分でする必要がない点は、忙しい人にとって大きな魅力だと感じました。
自然の中で「暮らすように」過ごせる
ホテルとは違い、キッチンなどの生活設備を備えた物件であれば、旅行先でも自宅のように過ごせます。チェックインして終わりのホテルとは違う、暮らすような滞在ができるのは、シェア別荘ならではの良さだと思います。
複数拠点を利用できるタイプもある
一つの別荘を固定で持つのではなく、複数の拠点の中から選んで利用できるタイプもあります。同じ場所に飽きずに、いろいろな環境を楽しめるのは魅力的でした。
ここまでお伝えした通り、この仕組み自体はすごく良いと思いました。「なるほど、これは人気が出るのも分かる」というのが、説明を聞いた直後の率直な感想です。
それでも私が購入をやめた5つの理由
魅力を感じつつも、最終的に私が購入を見送った理由は、大きく5つありました。
1. 犬連れ旅行では「ドッグラン」がかなり重要だった
私には、シェルティの兄妹(つぶあんとミニ)がいます。実は先代のポメラニアンのときは、ドッグランでほとんど遊ばなかったので、正直「犬OKかどうか」くらいしか気にしていませんでした。
ところが、つぶあんとミニはとても活発で、旅行先でも走り回りたいタイプ。今の私にとっては、ドッグランがあるかどうかが、宿泊先を選ぶ上でかなり重要な条件になっています。
犬と一緒に旅行するとき、できれば次のような条件がそろっていると理想的です。
- 屋内・屋外ドッグランがある
- ドッグフレンドリーな環境や施設である(※おやつのサービスや犬と入れる温泉など)
- 周辺に犬連れで楽しめるスポットがある
ところが、シェア別荘は「犬と泊まれる物件」であっても、必ずしもドッグランが付いているわけではありません。実際に検討した中では、ドッグラン付きのコテージはかなり限られていて、犬連れ旅行という目的で考えると、思ったほどメリットを感じられませんでした。
「犬が入れる施設」と「犬連れで楽しめる施設」は、やはり違うな、というのが今回の大きな気づきでした。
実際、ホテルの中には屋内ドッグランや屋外ドッグランを複数備えているところもあります。屋内ドッグランがあれば天候に左右されずに遊ばせられますし、うちの子たちもドッグランがいくつかあると飽きずに走り回れます。夕食のあとにドッグランを利用できると、そのぶんしっかり体を動かせるので、夜はぐっすり眠ってくれる。こうした点も、シェア別荘よりホテルを選ぶようになった理由のひとつです。
2. 年間の維持費を考えると、ホテル旅行という選択肢もあった
購入費とは別に、年間の維持費が必要になる点も確認しておきたいポイントです。今回検討したケースでは、年間約20万円の維持費がかかる見込みでした。
一方、私が普段利用している宿泊施設は、2食つきで1泊20,000〜25,000円程度です。犬連れで泊まれて、ある程度快適な宿を選ぶと、このくらいの価格帯が目安になります。
そう考えると、年間20万円あれば、単純計算で約8〜10泊分の宿泊費に相当します。
「その20万円を毎年旅行費として使えば、犬たちと好きな場所に泊まれるのでは?」
そう考えるようになったのが、二つ目の理由です。
3. 450万円を固定するより、資産運用に回したいと思った
今回検討した物件の購入費用は、約450万円でした。
もちろん、シェア別荘には「利用できる場所がある」という価値があるので、単純に投資と比較できるものではありません。それでも、自分のお金の使い方として考えたとき、
「450万円を別荘に使うより、NISAなどを活用して長期的に運用し、旅行には別途お金を使うほうが自分には合っているかもしれない」
と感じました。誤解のないようにお伝えしておくと、「投資したほうが絶対に得」と言いたいわけではありません。あくまで、資産として残る形でお金を持っておきたい、というのが自分の性格に合っていた、という話です。
なお、NISAなどの制度は年間の投資枠や非課税期間が見直されることがあるため、実際に検討される場合は、その時点での最新情報を確認することをおすすめします。
4. 旅行先を自由に変えたい
私は、一つの場所に何度も通うより、その時々の気分や季節に合わせて旅行先を変えるのが好きなタイプです。熱海、箱根、伊豆高原、蓼科、北軽井沢、軽井沢など、行き先を変えながら旅行を楽しんでいます。
ホテルや旅館であれば、そのときどきで、
- 涼しい場所にしよう
- 温泉のある宿にしよう
- ドッグラン付きの宿にしよう
- 食事がおいしいところにしよう
というように、自由に条件を変えられます。
シェア別荘は複数拠点を利用できるという魅力がある一方で、「そのサービスが持つ拠点の中から選ぶ」という制約もあります。全国の宿を自由に選べるホテル旅行のほうが、自分の旅行スタイルには合っていると感じました。
5. 旅行先で料理をすることにあまり魅力を感じなかった
これは完全に私個人の好みの話です。料理ができないわけではありません。ただ、食材を買いに行き、スーパーを探し、献立を考え、料理して、食器を洗う……ということを、旅行先ではしたくないタイプなんです。
旅行のときは、「ご飯は誰かに用意してもらいたい」というのが本音。ホテルや旅館であれば、チェックインしたら温泉に入って、時間になったらご飯を食べるだけで完結します。
また、つぶあんはお店でご飯を食べることが好きなので、犬と一緒に入れるホテルのレストランがあると大変助かります。
私にとっては、この「何もしなくていい」ことこそが、旅行の大きな魅力なんだと、今回あらためて気づきました。
では、シェア別荘はどんな人に向いている?
ここまで「購入をやめた理由」を中心にお伝えしてきましたが、これは「シェア別荘がダメ」ということでは決してありません。むしろ、ライフスタイルによっては、とても価値のある選択肢だと思います。
例えば、次のような方には向いていると感じました。
- 年に何度も同じエリアへ足を運ぶ
- 別荘のような場所を持ちたい
- ホテルよりも自宅のような空間で過ごしたい
- 自炊やBBQを楽しみたい
- 自然の中でゆっくり過ごすこと自体が目的
- 別荘を一棟所有するほどの費用や管理負担は避けたい
- 数百万円を「旅行費」ではなく「ライフスタイルへの支出」として考えられる
- 家族や友人と一緒に利用したい
- 犬連れでも、周辺を散歩できれば問題ない
こうした条件に当てはまる方であれば、シェア別荘は十分に検討する価値があると思います。
逆に、シェア別荘が向いていないかもしれない人
反対に、私のように次のようなタイプの方は、一度立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。
毎回違う場所へ旅行したい人
旅行先の自由度を重視する人には、行き先を自由に選べるホテルや旅館のほうが使いやすいはずです。
食事まで全部お任せしたい人
自炊を楽しめる人にとってはメリットになる部分でも、旅行では何もしたくない人にとっては、逆に負担に感じられることがあります。
ドッグランなど宿泊施設の設備を重視する人
犬連れ旅行の場合は、「犬OKかどうか」だけでなく、ドッグランや周辺環境まで確認しておく必要があります。愛犬が活発なタイプであれば、なおさらです。
まとまった資金を投資に回したい人
購入費用を資産運用に回すという選択肢も、比較検討する価値があります。
「元を取らなければ」と考えてしまう人
年間の利用可能泊数を強く意識してしまうと、「使わないともったいない」という気持ちが先に立ち、純粋に旅行を楽しめなくなってしまう可能性もあります。
親と一緒に購入できるなら、また違ったかもしれない
実は検討の過程で、「親と連名で購入できたら、また違ったかもしれない」とも考えました。
一人で利用するより、
- 親子で旅行する
- 家族で共有する
- それぞれが好きなタイミングで利用する
という使い方ができれば、年間の利用機会も自然と増えます。
「一人で購入する」より「家族で共有する」ほうが、シェア別荘の価値を感じやすい方もいるはずです。
ただし、実際に家族で購入する場合は、契約上の名義、利用ルール、将来の売却や相続をどうするかなど、事前に確認しておくべきことが増える点には注意が必要です。
法人の福利厚生なら「あり」だと思った
個人で購入する場合とは違い、法人で複数の社員が利用できるのであれば、また違った魅力があるとも感じました。
例えば、
- 福利厚生
- ワーケーション
- 社員のリフレッシュ
- チーム合宿
- 経営者や社員の家族との利用
といった使い方です。一人で年間の利用可能日数を消化するよりも、複数人で利用することで活用しやすくなる可能性があります。
ただし、法人で購入すれば必ず節税になる、福利厚生費として必ず処理できる、というわけではありません。税務上の扱いは契約形態や実際の利用実態によって異なるため、法人での購入を検討する場合は、税理士などの専門家に確認することをおすすめします。
シェア別荘を検討して、最終的に「買わない」と決めた理由
今回の判断は、「シェア別荘に魅力がなかったから」ではありません。むしろ、「別荘を持つ」という体験自体は、とても魅力的に感じました。
それでも、自分の場合は、
- 犬との旅行ではドッグランを重視したい
- 毎回違う場所へ行きたい
- 旅行先では料理をしたくない
- 普段から1泊2〜2.5万円程度の宿を利用している
- 年間約20万円の維持費なら、旅行費に回したい
- 別荘購入代は、NISAなどの資産形成に回したい
という条件を並べて考えたとき、「所有すること」より「自由に旅行できること」のほうが、自分にとっては価値が高い、という結論になりました。
まとめ|シェア別荘は「得か」ではなく「自分に合うか」で考える
シェア別荘は、ホテルより得なのか、別荘より安いのか、という金額だけで判断するものではないと思います。
大切なのは、自分がどんな休日を過ごしたいのか、という点です。同じ場所に何度も行きたいのか、自然の中で自宅のように過ごしたいのか、犬とどんな時間を過ごしたいのか、旅行先は自由に選びたいのか。その答えによって、シェア別荘が向いているかどうかは変わってきます。
私の場合は、「450万円で別荘を買う」より「450万円は資産形成に回して、毎年好きな場所へ犬たちと旅行する」という選択をしました。
もしあなたがシェア別荘を検討しているなら、「買う・買わない」の二択で考えるのではなく、自分にとってどちらが心地よいお金の使い方なのか、一度考えてみるきっかけにしていただけたら嬉しいです。
買わなかったけれど、検討したことで、自分が旅行に何を求めているのかが、以前よりはっきり分かった気がしています。
