ダニは主にベッドや布団、カーペット、わんちゃんの寝具などに生息し、ホコリや食べ物のカス、フケなどを餌にしています。わんちゃんがいる家庭のお家は、温湿度が保たれており、常に餌がある状態のため、ダニにとって快適な環境と言えます。
私もダニ・ノミ対策を怠った年はツメダニの被害にあい、何週間も掻きむしって痒い思いをしなければならないことが過去の何度かありました。
人間でも我慢できない痒さを、わんちゃんも経験すると思うと辛いですよね。また、ダニの中にはアレルギーなどのかゆみや炎症を引き起こす可能性のあるダニ以外にも、人間や動物に寄生して吸血し、病気を媒介するダニもいます。
わんちゃんとご家族を守るためにも、種類と症状を把握しておきましょう。
わんちゃんに寄生するダニの種類と症状
①ヒゼンダニ(疥癬ダニ)
ヒゼンダニは「疥癬ダニ」とも呼ばれる非常に小さなダニのため、肉眼で確認することができません。診断する際には、わんちゃんの皮膚に擦り傷をつけて、顕微鏡で検査する必要があります。またヒゼンダニは、人間にも感染する可能性があります。
寄生するところ:皮膚の角質層、(胸や腹部、脚、肘、耳など)
症状:激しいかゆみ、脱毛、皮膚感染症、皮膚の乾燥、フケ
②イエダニ
もともとはネズミの体表で繁殖するイエダニは0.6㎜~1.0㎜ほどの小さいダニですが、わんちゃんだけではなく人間も吸血されるとツメダニ以上に強いかゆみを感じます。命にかかわる病気を媒介するケースはあまりありませんが、ネズミの血を吸った針がわんちゃんや人間の血管に刺さるため、患部の腫れが目立ち、感染症のリスクを伴います。
症状:激しいかゆみ、腫れ
③ツメダニ
ベッドやマットレス、カーペット、ソファ、わんこのの寝具など、家の中の様々な場所に生息し、暖かく湿度の高い環境で繁殖します。
寄生するところ:背中
症状:大量のフケ、かゆみ、湿疹、脱毛
④ニキビダニ
ニキビダニは健康なわんちゃんの毛包や脂腺に寄生して常在しているダニの一種で、普段は免疫力によってニキビダニの数は一定に保たれています。免疫力の低下や免疫に関わる病気が影響している場合、また栄養失調などが起きているときに過剰に増殖することによって皮膚病を引き起こします。
症状:脱毛、皮膚が厚くなる、炎症、発赤
⑤マダニ
ダニの中でも肉眼で確認することができるマダニは、他のダニと違い草むらや庭、河川敷など屋外にいるダニです。が寄生し吸血すると、わんちゃんの皮膚にかゆみや痛みを引き起こすだけではなく、マダニが持つウイルスや細菌が感染し、深刻な病気や感染症を引き起こす可能性もあります。
症状:皮膚にかゆみや痛み・赤み・炎症、体調不良、食欲不振
次にマダニが引き起こす感染症について見ていきましょう。
マダニが引き起こす怖い感染症
・ダニ麻痺症
毒性の物質を分泌するマダニもおり、この毒性の分泌物が、わんちゃんの神経に影響を与え急速に進行する病気を「ダニ麻痺症」と言います。
症状:後ろ足に歩行の異常、前足・呼吸に関わる筋肉や顔の神経麻痺、咽頭の機能不全、誤嚥性肺炎、呼吸能力や筋肉の張りなどの低下
・ライム病
「ボレリア・ブルグドルフェリ」という細菌の一種に感染したマダニに咬まれることで感染する病気です。 ライム症の症状は、腎不全を引き起こしたり、心臓や神経に重大な影響を及ぼしたりする可能性もあります。また、わんちゃんと同じような感染経路で人間にも感染することもあるため注意が必要です。
症状:関節の痛みや腫れ、足を引きずって歩く、リンパ節の腫れ、発熱など
・犬バベシア症
「バベシア」という原虫が犬を吸血した後、赤血球に寄生し、赤血球を破壊することで貧血を引き起こす感染症のことです。わんちゃんのバベシア症のほとんどは、南米の北部で発生していますが、南米以外の国や日本でも報告されています。症状は軽度なものから早急に対処が必要なものがあるものまで様々です。
症状:白眼や皮膚が黄色くなる黄疸、無気力、食欲がない、歯茎が青白い、尿の色が濃い、リンパ節の腫れや脾臓の肥大、痩せる、ふらつきのある歩行、発作など
大きな被害を生まないダニもいますが、ダニの糞便や尿などの分泌物、死骸などがホコリの一部となり、わんちゃんの耳や顔、脇の下、腹などにアレルギーの症状を引き起こす原因となることもあります。
また、アレルギー症状は人間にも現れることもあります。ダニの対策を行うとともに、部屋のホコリやゴミをこまめに掃除し、清潔に保つようにしましょう。
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