犬がよだれを垂らすのは自然なことです。おやつやご飯を目の前にしたとき、興奮したとき、緊張やストレスを感じたときなどに唾液の分泌が増えるのは正常な反応です。
しかし、よだれが止まらない・いつもより明らかに多い・他の症状を伴っている場合は注意が必要です。この記事では、犬の過剰なよだれの原因となる5つの病気やトラブルと、受診の目安を解説します。
犬にとっての唾液の役割
唾液には口腔内を潤す、食べ物の消化を助ける、細菌の繁殖を抑えるなど、大切な役割があります。犬は人間に比べて唾液の量が多く、特にセントバーナードやマスティフなどの大型犬、ブルドッグなどの短頭種はもともとよだれが多い犬種です。
普段からの唾液量を把握しておくことが、異常に気づくための第一歩になります。
原因①:歯や口の中の病気・トラブル
歯周病・歯肉炎・口内炎・腫瘍・口腔内の感染症など、口の中にトラブルがあるとよだれが過剰に出ることがあります。
また、硬いものを噛んで口の中が傷ついたり、骨やおもちゃの破片などの異物が詰まったりした場合も、痛みや不快感からよだれが増えます。口臭がきつくなる、食べるのを嫌がる、口を気にする動作がある場合は、口腔内のトラブルを疑いましょう。
原因②:胃腸の障害やお腹の痛み
消化器系の炎症や疾患、腹部の痛みがある場合にもよだれが増えます。犬は吐き気を感じると唾液の分泌が増えるため、嘔吐の前兆としてよだれが出ることが多いです。
落ち着きがない、下痢、食欲不振、お腹が張っている、祈りのポーズ(お尻を上げて前足を伸ばす姿勢)などの症状が同時に見られる場合は、胃腸炎や膵炎などの消化器疾患の可能性があります。
原因③:熱中症
暑い季節によだれが過剰に出る場合は熱中症を疑いましょう。犬はパンティング(口を開けてハアハアする呼吸)で体温を下げますが、体温調節が追いつかなくなるとよだれが大量に出ます。
特に短頭種(パグ、フレンチ・ブルドッグ、ブルドッグなど)は呼吸効率が悪く熱中症になりやすい犬種です。ぐったりしている、歯茎が赤い、ふらつくなどの症状があれば、体を冷やしながらすぐに動物病院へ向かいましょう。
原因④:化学物質を舐めた・口にした
家庭用洗剤、漂白剤、殺虫剤などの腐食性化学物質を舐めたり口にしたりすると、口腔内の粘膜が刺激されてよだれが過剰に出ます。
化学物質の種類によっては命に関わるため、口にした可能性がある場合は何を・いつ・どのくらい口にしたかを把握して、すぐに動物病院を受診してください。自己判断で吐かせるのは危険な場合もあるため、必ず獣医師の指示を仰ぎましょう。
原因⑤:有毒な植物や動物を口にした
有毒な植物(チューリップ、ツツジ、キク、ユリなど)や、毒を持つ動物(ヒキガエル、特定のクモなど)を舐めたり口にしたりすると、よだれの過剰分泌を含むさまざまな中毒症状が現れます。
散歩中に草むらで何かを口にした後によだれが急に増えた場合は、中毒の可能性があります。早急に動物病院を受診してください。
動物病院を受診する目安
以下のケースでは早めに動物病院を受診しましょう。
- よだれが数時間以上止まらない
- よだれに血が混じっている
- 食欲がない、水も飲まない
- 嘔吐や下痢を伴っている
- ぐったりしている、ふらつく
- 化学物質や有毒な植物・動物を口にした可能性がある
まとめ
犬の過剰なよだれは、口腔内の病気、胃腸の障害、熱中症、化学物質や有毒な植物・動物の摂取など、さまざまな原因が考えられます。普段のよだれの量を把握しておき、「いつもと違う」と感じたら早めに獣医師に相談しましょう。
