わんちゃんは食欲や元気はあるのに、下痢になることがあります。
わんちゃんの下痢には、内臓疾患やアレルギーなど投薬・外科治療が必要になるものから、ストレスなど心因性のものまで、原因はさまざまです。
食欲があり元気に過ごしていても下痢をする場合は、以下のような原因が考えられます。思い当たることがないか、ひとつずつ確認してみましょう。
① 食物アレルギーのあるものを食べた
特定の食材に対して食物アレルギーを持っているわんちゃんは、その食材を口にすると下痢や軟便を起こすことがあります。
食物アレルギーによる下痢は、皮膚のかゆみや赤みをともなうこともありますが、消化器症状だけが現れるケースもあります。食欲が落ちないまま下痢だけが続く場合は、アレルギーの可能性を視野に入れてみてください。
とくに牛肉、鶏肉、乳製品、小麦、大豆などはアレルゲンになりやすいとされています。新しいフードやおやつに切り替えた後に下痢が始まった場合は、原材料を確認してみましょう。
② 危険な食品を食べた・拾い食いをした
わんちゃんにとって中毒を起こす食品を口にした場合にも、下痢が起きることがあります。
とくに注意が必要なのは以下の食品です。
- たまねぎ・長ねぎ・にら・にんにくなどのネギ類
- ぶどう・レーズン
- チョコレート
- キシリトールを含むガムやお菓子
これらは少量でも中毒症状を引き起こすことがあり、下痢だけでなく嘔吐、ふらつき、貧血などの深刻な症状につながるおそれがあります。
お散歩中の拾い食いにも注意が必要です。落ちている食べ物の中に危険な食品が含まれていることもありますので、地面に落ちているものを口にしないよう目を配ってあげましょう。
もし危険な食品を食べてしまった場合は、食べたものと量を確認し、すぐに動物病院に連絡してください。
③ フードを切り替えた
ドライフードの種類を変えたときに、一時的に下痢になることがあります。
わんちゃんの消化器系は新しい食事に慣れるまで時間がかかるため、急にフードを変えると胃腸がびっくりしてしまうのです。
フードを切り替えるときは、7〜10日かけて少しずつ移行するのが理想です。
- 1〜3日目:新しいフード25%+今までのフード75%
- 4〜6日目:新しいフード50%+今までのフード50%
- 7〜9日目:新しいフード75%+今までのフード25%
- 10日目以降:新しいフード100%
私のシェルティの兄は、ドライフードを切り替えたときに下痢になってしまったことがあります。逆に、手作りごはんからドライフードに戻したときには便秘になったこともありました。フードの変更は、わんちゃんの体に負担がかかりやすいので、焦らずゆっくり移行することが大切です。
④ 乳酸菌など体に合わないものを食べた
最近は乳酸菌入りのおやつやサプリメントが増えていますが、乳酸菌は体に良いイメージがあっても、すべてのわんちゃんに合うとは限りません。
乳酸菌にはさまざまな種類があり、わんちゃんによって合うもの・合わないものがあります。また、これまで摂取したことがない乳酸菌を急に与えると、腸内環境が変化して下痢を起こすこともあります。
先日、私のシェルティ兄妹に乳酸菌入りのチキンのおやつを与えたところ、兄はまったく問題なかったのですが、妹はすぐに下痢をしてしまいました。人と同じように、兄妹であっても腸内環境や食べ物との相性はそれぞれ異なります。多頭飼いでは食事の管理はとくに難しくなるので、新しいおやつやサプリメントを試すときは、以下の点に気をつけてみてください。
- まずは少量から始めて様子を見る
- 新しい食材・食べ慣れないものを2つ以上同時に与えない(何が原因か特定しにくくなるため)
- 下痢をしたらすぐに中止して様子を見る
- 心当たりのあるものがあれば、その食材をやめて改善するか確認する
また、ドッグランやお散歩先で他の飼い主さんからおやつをいただくこともありますよね。ありがたい気持ちはあるのですが、原材料がわからないおやつはわんちゃんの体に合わない可能性もあります。「うちの子、たまにお腹を壊しちゃうので…」とやんわりお伝えして、念のため中身を確認させてもらうか、丁重にお断りするのもひとつの方法です。
お散歩中の拾い食いにも引き続き注意が必要です。地面に落ちている食べ物の中に、わんちゃんにとって危険なものや傷んだものが含まれていることもあります。拾い食いのクセがある子は、リードを短めに持つなどの工夫をしてあげましょう。
⑤ 環境の変化によるストレス
わんちゃんは環境の変化に敏感で、ストレスが原因で下痢をすることがあります。
以下のような場面で、ストレス性の下痢が起きやすくなります。
- 引っ越しや模様替え
- 長時間のお留守番
- 家族が増えた(赤ちゃんや新しいペットなど)
- 旅行やペットホテルでの宿泊
- 来客が多い日や騒がしい環境
ストレスが原因の下痢は、原因が解消されると自然に治まることが多いです。わんちゃんが安心できる環境を整え、いつもよりスキンシップやコミュニケーションを増やしてあげてくださいね。
⑥ 季節の変わり目
季節の変わり目は、わんちゃんの体調が崩れやすい時期です。
とくに春先や秋口など寒暖差が大きい時期は、自律神経のバランスが乱れやすく、胃腸の働きが低下して下痢を起こすことがあります。食欲はあるのにうんちだけが緩い…というケースは、季節の変わり目に多く見られます。
この時期は、室温の管理やお散歩の時間帯の調整など、わんちゃんの体に負担がかからないよう気を配ってあげましょう。
⑦ 水の飲みすぎや冷え
意外と見落としがちなのが、水の飲みすぎや体の冷えによる下痢です。
暑い日やお散歩後に一度に大量の水を飲むと、胃腸に負担がかかって下痢をすることがあります。水分補給は大切ですが、少量ずつこまめに飲ませるようにしましょう。
また、冷房の効きすぎた部屋で長時間過ごしたり、冷たい床の上で寝たりすることでお腹が冷えて下痢になることもあります。とくに子犬やシニア犬は体温調節が苦手なので、ブランケットやベッドで冷え対策をしてあげると安心です。
下痢をしたときの対処法
食欲や元気があり、下痢以外に気になる症状がない場合は、一時的な下痢の可能性があります。以下の対処を試してみてください。
- 新しく与えた食材やおやつがあれば元の食事に戻す
- ストレスの原因に心当たりがあれば、環境を整える
- 水分をこまめに摂らせて、脱水症状を防ぐ
- 1〜2食分は食事量を少なめにするか、消化の良いものを与える
ただし、2〜3日経っても下痢が続く場合は、ウイルス感染や寄生虫、内臓疾患を抱えている可能性も考えられます。以下のような症状がひとつでもあれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
- 下痢に血が混じっている
- 嘔吐をともなう
- 食欲が落ちてきた
- ぐったりしている
- 発熱している
まとめ
食欲はあるのに下痢をしている場合、考えられる主な原因は以下の7つです。
- 食物アレルギーのあるものを食べた
- 危険な食品を食べた・拾い食いをした
- フードを切り替えた
- 乳酸菌など体に合わないものを食べた
- 環境の変化によるストレス
- 季節の変わり目による体調変化
- 水の飲みすぎや冷え
多くの場合、原因を取り除くことで改善しますが、下痢が長引いたり他の症状が出てきた場合は早めに受診することが大切です。
とくに気をつけたいのは、新しい食材を同時に複数与えないこと。何が原因で下痢をしたのか特定できなくなってしまいます。新しいものを試すときは、ひとつずつ、少量から。愛犬の体の反応をよく観察しながら、安心できるごはんを選んであげてくださいね。

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