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わんちゃんの歯は意外と折れやすい!折れる前に対策を

著作者:freepik

わんちゃんの歯が折れたり欠けたりすることを『破折と呼び、歯の根が折れた場合は「歯根破折(しこんはせつ)と呼びます。

わんちゃんの歯は少し折れても大丈夫と思うかもしれませんが、実は様々な病気のリスクを伴います。
そして、私達が思っている以上に破折は身近なことであると認識しておきましょう。

私も飼っていたわんちゃんがキャップの蓋を噛むことが大好きだったので、しばらく与えていたら、獣医師さんから歯がすり減っていると指摘されました。わんちゃんが好きなものを与えてあげたいという気持ちは大事ですが、ご家族でわんちゃんの歯を守ってあげながら、同時にわんちゃんのストレス解消をしてあげられるように知識をつけることが最も大切です。

今回は破折しやすい理由と原因、そして予防策をお伝えします。

目次

わんちゃんの歯はエナメル質が薄く、人間のエナメル質が1~3mmあるのに対して、わんちゃんは 0.3~0.5mmほどしかありません。わんちゃんは肉を噛みちぎり飲み込みますが、ヒトは噛み砕きながら咀嚼します。そのため、エナメル質の厚さの違いは、食べ方に違いがあるからと言われています。

また、わんちゃんの歯は先端が尖っており、長期的・継続的に硬いものを噛み続けることで、歯のエナメル質を傷めてしまったり、刃こぼれを起こすように歯が折れたり、欠けてしまったりすることがあります。

①硬いものを噛む
 おやつのアキレス腱や骨、ヒヅメ、歯磨きガム、硬いおもちゃ、プラスチック、木などを噛んだときに破折してしまうことがあります。

②事故などの外傷
 交通事故や高いところからの落下、他の子と喧嘩や触れ合いの際の衝突、またボールやフリスビーなどをキャッチした衝撃などで、歯が折れてしまうケースがあります。

最も破折しやすい歯は、上顎にある肉を切り裂いて小さくして飲み込むときに使う『裂肉歯(れつにくし)』とよばれる大きな歯で、その割合は90%を占めます。
また噛む力(咬合力)は犬種によって異なりますが、噛む力が強い子ほど破折しやすい傾向にあります。

性格的には活発な子で、犬種はボーダーコリー、ミニチュアダックスフント、ラブラドール・レトリバー、シェットランド・シープドック(シェルティー)、ウエルシュコーギーに多く見られます。

破折しても歯髄(しずい)*が出ておらず、症状がないこともあります。また歯髄に傷がついていても、初期の段階では症状が見られない場合もあります。ただ、小さな破折でも歯の表面を保護しているエナメル質が欠損するため、早ければ破折後、8時間で虫歯になると言われています。

歯髄*:歯の中にある「歯髄」と言われる神経・血管・リンパが通る部分。

また、歯髄が露呈している場合は、そこから知覚過敏や細菌感染を引き起こす恐れがあります。そして時間が経つと歯の根元部分まで菌が侵入し、「歯槽膿漏」と同じような状態になります。

歯の根っこの付近で破折をしていたり、歯肉の奥まで達したりしている場合は、歯周病がひどくなることもあります。

破折を気が付かず放置しておくと、痛みが出てきたり食べ方が変わったり、歯肉が赤く腫れたりします。そして、歯髄や周囲の組織が感染してしまう根尖膿瘍(こんせんのうよう)を引き起こすため、早めの処置が必要です。

わんちゃんは噛みたいという、生まれ持った欲求があり、この欲求が満たされないと、椅子の足や家具やケージなどを噛んでしまいます。破折の予防策としては、欲求を満たしつつ硬すぎるものを与えないことが大切です。

硬さの目安としては、「爪で押すとへこむ」、「はさみで切ることができる」ものなら与えても問題ないと言われています。例えば、アキレス腱や骨、ヒヅメなどは、爪で押してもへこまない、ハサミで切ることができないため、与えるのはやめましょう。

椅子を噛んでしまう子は、日頃から噛んでも問題ないおもちゃやおやつを与える他、移動が難しい家具のある場所に入れないようチャイルドゲージなどでガードし工夫しましょう。

歯の状態は飼い主さんが確認することが難しいため、必ず歯科検診を受けて、定期的に歯の状態を診てもらうようにしましょう。
まずは愛犬の歯を守ることを優先し、そして破折が起きてしまったときは痛みや症状が悪化する前に、気がついてあげられるようにしてくださいね。

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