パピーコートと呼ばれる子犬特有の被毛が残っている子を除き、ダブルコート(オーバーコートとアンダーコートの二重構造をもつ犬種)のわんちゃんは、年に2回被毛が生え変わります。
人間の衣替えと同じように、春は保温性の高い冬毛から夏毛へ、秋は夏毛から冬毛へと変わります。
※換毛期の開始時期はその子によって異なり、住んでいる地域の気温・気候にも左右されます。
換毛期の抜け毛と病気の抜け毛、見分けが大切
換毛期で被毛が多く抜けていても、かゆみや赤みなどの症状がなければ問題ありません。しかし、疾患が原因で被毛が抜けている場合は、早めに病院を受診する必要があります。
とくに換毛期の時期は「たくさん抜けるのは当たり前」と思いがちで、疾患を見落としてしまうケースも少なくありません。
私はシェルティ兄妹で2頭いますが、換毛期にはかなりの量の毛が抜けます。ブラッシングのたびに「これは多すぎないかな?」と気になり、皮膚の状態も併せてチェックするようになりました。
疾患の種類と症状を知っておくことで、ブラッシングのときや体を触るときに異変に気づけるようになります。
被毛が抜け落ちる疾患の種類
抜け毛の原因となる疾患は、大きく4つに分けられます。
① 感染症
膿皮症、マラセチア皮膚炎、皮膚糸状菌症などが代表的です。細菌や真菌(カビ)が皮膚で増殖することで炎症が起き、脱毛につながります。
皮膚が赤くなったり、かさぶたやフケが出たりするのが特徴です。湿度が高い梅雨や夏場に悪化しやすい傾向があります。
② アレルギー性疾患
食物アレルギーやアトピー性皮膚炎が原因で被毛が抜けることがあります。かゆみが強く、わんちゃんが自分で掻いたり舐めたりすることで脱毛が進むケースが多いです。
特定の部位(耳、口まわり、お腹、足先など)に繰り返し症状が出る場合は、アレルギーの可能性を疑ってみてください。
ただし、口まわりの脱毛はアレルギーとは限りません。食事のときに食器が当たって毛が抜けてしまうこともあります。私のシェルティも、スローフィダーを使っていた時期に口の下の毛が抜けてしまい、使用を中止したところ毛が生えてきました。
また、おもちゃの素材によるアレルギーにも注意が必要です。シリコン製のおもちゃにアレルギー反応を起こす子もいるため、新しいおもちゃを与えたあとに皮膚に変化がないか確認してあげましょう。
③ 内分泌疾患(ホルモンの病気)
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状腺機能低下症など、ホルモンバランスの乱れが原因で脱毛が起きることがあります。
左右対称に毛が抜ける、急に太った(または痩せた)、元気がなくなったなど、抜け毛以外の変化も伴うことが多いのが特徴です。
④ 遺伝性疾患
パターン脱毛など、遺伝的な要因で特定の部位の毛が薄くなることがあります。発症頻度は低めですが、犬種によっては起こりやすい場合もあります。
【チェックリスト】こんな症状があったら病院へ
ブラッシングのときや体を触るときに、以下の症状がないかチェックしてみてください。1つでも当てはまる場合は、早めに獣医師さんに相談しましょう。
私はブラッシングのときに、毛をかき分けながら皮膚の色や状態を確認するようにしています。とくに換毛期は毛量が多くて見えにくいので、ドライヤーの冷風で毛をめくりながらチェックすると皮膚の状態がよく見えます。
換毛期の抜け毛と病的な抜け毛の見分け方
「正常な換毛」と「病気による脱毛」には、いくつかの違いがあります。
正常な換毛期の特徴:
- アンダーコートが全体的にまんべんなく抜ける
- 皮膚に赤みやかゆみがない
- 抜けた部分から新しい毛が生えてくる
- わんちゃんの元気や食欲に変化がない
病気が疑われる脱毛の特徴:
- 特定の部位だけ集中的に抜ける
- 左右対称に脱毛している
- 皮膚に赤み、フケ、ベタつき、かさぶたなどがある
- 抜けた部分から新しい毛が生えてこない
- 元気がない、食欲が落ちた、急な体重変化がある
まとめ
換毛期は大量に毛が抜けるため、病気のサインを見逃しやすい時期です。
大切なのは、「いつもと違う」に気づくこと。ブラッシングの時間は、愛犬の皮膚や体の状態をチェックする絶好のタイミングです。
上記のチェックリストに1つでも該当する症状があれば、「換毛期だから」と自己判断せず、早めに獣医師さんに相談してくださいね。
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