犬の目の病気は、気づいたときにはかなり進行していたというケースが少なくありません。犬は視力が低下しても嗅覚や聴覚で補えるため、飼い主さんが変化に気づきにくいのです。
この記事では、犬に多い目の病気を5つ取り上げ、初期症状の見分け方と早期発見のポイントを解説します。日頃から愛犬の目の状態を観察する習慣をつけておきましょう。
白内障|目が白く濁ってきたら要注意
白内障は、目の中にある水晶体が白く濁ることで視力が低下する病気です。加齢にともなって発症することが多いですが、遺伝的な要因で若い犬に起こることもあります。
初期症状のサインとして、目の中心が白っぽく見える、暗い場所で物にぶつかる、段差を怖がる・階段を嫌がる、ボールやおやつへの反応が鈍くなるなどが挙げられます。
白内障は進行すると失明に至ることもありますが、初期段階であれば点眼薬で進行を遅らせることが可能です。また、手術によって視力を回復できるケースもあります。
特にトイ・プードル、ミニチュア・シュナウザー、コッカー・スパニエルなどは白内障になりやすい犬種です。シニア期に入ったら、定期的に目の状態をチェックしてもらいましょう。
私が一緒に暮らしていたポメラニアンは、16歳まで白内障にはなりませんでしたが、シニアになってからは日差しが強い時間帯の散歩は避ける、など対策していたこともあるかもしれません。
白内障の主な原因
犬の白内障の原因はさまざまですが、代表的なものとして以下が挙げられます。加齢による水晶体のタンパク質変性が最も多く、6歳を過ぎたあたりから徐々にリスクが高まります。また、遺伝的要因も大きく、トイ・プードルやミニチュア・シュナウザーなどは若年性白内障を発症することがあります。
意外と知られていないのが、紫外線(UV)の影響です。人間と同様に、犬の目も長時間の紫外線曝露によって水晶体がダメージを受けます。特に夏場の日中や、コンクリートの照り返しが強い場所での散歩は、目への紫外線負荷が大きくなります。そのほか、糖尿病の合併症として白内障が進行するケースや、目の外傷・炎症が引き金になることもあります。
白内障の予防と進行を遅らせるケア
白内障を完全に予防することは難しいですが、進行を遅らせるためにできることはあります。まず、紫外線対策として、夏場は日差しが強い10〜14時の散歩を避け、朝晩の涼しい時間帯に切り替えましょう。犬用のUVカットゴーグルも市販されており、目を直接保護できます。
食事面では、抗酸化作用のある栄養素(ビタミンC・E、ルテイン、アスタキサンチンなど)を意識して取り入れることで、水晶体の酸化ストレスを軽減できるとされています。ブルーベリーやかぼちゃ、サーモンなどを適量トッピングするのもおすすめです。
初期の白内障と診断された場合は、獣医師から点眼薬が処方されることがあります。代表的なものが「ライトクリーン」などのピレノキシン系点眼薬で、水晶体のタンパク質変性を抑えて進行を遅らせる効果が期待できます。
お友だちから教えてもらい、私のポメラニアンも目の色が少し白くなったときに、この点眼薬を使ったことがあります。
紫外線対策としては、犬用のサンバイザーやサングラスも効果的です。私の愛犬は嫌がりますが、白内障予防にも役立つアイテムとして注目されています。
緑内障|痛みをともなう緊急性の高い病気
緑内障は、眼球内の圧力(眼圧)が異常に高くなることで視神経が障害される病気です。犬にとって強い痛みをともなうことが多く、放置すると短期間で失明する可能性がある緊急性の高い疾患です。
初期症状のサインは、目が赤く充血している、目を細めたりしょぼしょぼさせる、涙の量が急に増える、頭や目の周りを触られるのを嫌がる、食欲が落ちる・元気がなくなるなどです。
緑内障は柴犬、コッカー・スパニエル、ビーグルなどに多いとされています。眼圧が上がり始めてから48時間以内に治療を開始しないと視力の回復が難しくなるケースもあるため、上記のサインが見られたらすぐに動物病院を受診してください。
結膜炎|最も身近な目のトラブル
結膜炎は、目の表面を覆う粘膜(結膜)に炎症が起きる病気で、犬の目のトラブルの中では最もよく見られます。アレルギー、細菌やウイルスの感染、ゴミやほこりの侵入、ドライアイなど、原因は多岐にわたります。
初期症状のサインとして、白目が赤く充血している、目やにの量や色が変わった(黄色や緑色)、目をかく・こする仕草が増えた、まばたきの回数が増えたなどが見られます。
軽度であれば点眼薬で数日〜1週間程度で改善しますが、アレルギーが原因の場合は繰り返すことがあります。目やにの色が黄色や緑色の場合は細菌感染の可能性があるため、早めに受診しましょう。
角膜潰瘍|目の表面に傷がつく病気
角膜潰瘍は、目の表面(角膜)に傷がついて炎症を起こす病気です。散歩中の草や枝による外傷、他の犬とのじゃれ合いでの引っかき傷、ドライアイによる乾燥などが原因で起こります。
初期症状のサインは、片目をしょぼしょぼさせる・開けられない、涙が止まらない、目の表面が曇って見える、光をまぶしがるなどです。
角膜潰瘍は放置すると角膜に穴が開く「角膜穿孔」に進行する危険があります。特にパグ、フレンチ・ブルドッグ、シー・ズーなどの目が大きく突出した犬種は角膜に傷がつきやすいため注意が必要です。目を気にする仕草が見られたら、こすらせないようにエリザベスカラーをつけて、速やかに動物病院へ連れていきましょう。
ドライアイ(乾性角結膜炎)|涙が足りなくなる病気
ドライアイは、涙の分泌量が減少して目の表面が乾燥し、炎症や感染を繰り返す病気です。免疫の異常で涙腺が攻撃されることが主な原因とされており、慢性的な経過をたどることが多いです。
初期症状のサインとして、ネバネバした目やにが多い、目の表面に光沢がなく乾いて見える、目を頻繁にこする、結膜炎を繰り返すなどが挙げられます。
ドライアイはウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア、コッカー・スパニエル、ヨークシャー・テリアなどに多く見られます。完治は難しいですが、人工涙液や免疫抑制剤の点眼で症状をコントロールしながら、生涯にわたって管理していくことが可能です。
愛犬の目を守るために飼い主ができることと
目の病気の多くは、日頃の観察で早期発見が可能です。毎日チェックしたいポイントとして、目やにの量と色に変化はないか、白目の充血はないか、目を気にする仕草(こする、しょぼしょぼする)はないか、左右の目の大きさや瞳孔に違いはないかを確認しましょう。
また、年1〜2回の定期検診で目の状態もチェックしてもらい、シニア期に入ったら眼科検診を追加することをおすすめします。目の病気は「気づいたときには手遅れ」になることもあります。少しでも気になる変化があれば、早めに動物病院で診てもらいましょう。

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